4回に渡ってテニスだけではなく、様々なスポーツの視点からコーチングの概念や
指導法などを勉強してきましたので、ご報告させて頂きます。
以下のレポートを読んで、何か ジュニアの指導・育成に対して共感を持って頂けたり、
開成グリーンのジュニアへの指導・育成方針等を御理解頂けると幸いです。
第1回 子供のスポーツコーチ 講師:藤井 裕輔氏 開催日:2月18日
第2回 子供のスポーツコーチの実際 慶応義塾大学院健康マネジメント研究科
第3回 スポーツ選手に必要な問題解決能力① 講師:倉本 和昌氏 開催日:3月10日
第4回 〃 ② 湘南ベルマーレU-15南足柄
1 .子供を取り巻く環境と現状
少子高齢化や便利な生活(コンビニやインターネット)や賃金格差(共働きの増加)など
いろんな社会状況が重なり、生活の乱れが生じている。
その生活の乱れをもう少し噛み砕くと
① 騒音問題により公園での遊びが禁止される。テレビゲームの増加
② 食(孤食や欠食)
③ 睡眠 夜更かしの増加→運動能力の低下、学力の低下・不登校・生活習慣病が起きてくる。
* 運動をする割合(週3日以上運動やスポーツをする割合)
男子 S50年76.8%に対し、H17年は62.1%
女子 S50年74.1%に対し。H17年は39.8% のデータがあります。
2.子供の心身に与えるスポーツの恩恵
① 身 体 ・・・体力の向上・骨の健康
② メンタル ・・・ストレスの減少や攻撃性の減少
③ 学 力 ・・・記憶力・集中力の増加(脳の活性化)
④ 社会心理・・・共感・忍耐力
3.スポーツコーチの実際
パフォーマンスをより効果的に発揮する5つの項目。
A:筋力 B:持久力 C:専門技術 D:メンタル E:環境
この5つの項目のうち C:専門技術(コーディネーション)にスポットを当てます。
* 開成グリーンテニスクラブでは、スクールに通う1年生~6年生に対して、
このコーディネーションを積極的に取り入れ、実践しています。
<コーディネーションに必要な項目>
① 動き・・走る・転がる・投げる・跳ぶ・打つなど
② 状況・・ボール・敵・把握と反応
③ 時間・・状況に応じての判断
4.代表される7つのコーディネーション能力
①定 位 ・・・相手やボールなどの位置関係
②連 結 ・・・いくつかの動きを結びつける。(例)ドリブル→シュート
③変 換 ・・・状況に応じて素早く動作を切り替える
④リズム ・・・動作のリズムを自由に操作する。
⑤バランス・・・姿勢が崩れても動きの目的を達成する。
⑥分 化 ・・・手足や用具などを精密に操る。(例)バットコントロール
⑦反 応 ・・・合図に素早く性格に反応する。
スポーツ選手に必要な問題解決能力とは
① まず問題は何なのか正確に把握すること。
② 根本的問題が分かれば8割は解決している。
③ 目の前に出てきた現象を修正することが問題解決ではない。
④ 目指すべきは選手が自分で問題解決出来るようにする。自分で考えることが大切!
~ 動作を起こす時のプロセス ~
①知覚→②判断→③実行 というプロセスで動作が行われる
①知覚・・・見ること、観ること、正しく知覚できること、より多くの情報を
集められることで良い判断につながる。
では どうやって選手たちが知覚出来ているのかを知る事が出来るのか?
コーチは質問して掘り下げていく。
②判断・・・選択枠を増やすこと(1つしかないことが多い)
次にその判断が正しかったかどうか?を判断する。
では 良い判断かどうか どうやったら判るのか?
客観的に見ること、質問すること。
③実行・・・成功したか、失敗したかを言及しない。
戦術的に意図は何だったのかを見る。
極力ここでのミスは指摘しない。
意図を褒め、修正点を支持し、次にチャレンジさせる。
~ 選手の学習プロセス ~
① 無自覚、無意識: 何を知らないのかを知らない。
そのプレーの必要性を感じないし、行うことはない。
② 無自覚、意 識 : 何を知らないか知っている。
そのプレーの必要性を感じ、学びたいと思っている。
③ 自 覚、意 識 : 何を知っているのかを知っている。
そのプレーを実際に練習し努力しているが、まだ意識しなければ出来ない
④ 自 覚、無意識 : 何を知っているのか知らない。
そのプレーが無意識で出来る。
チーム作りについて(チームコンセプト)
① 方向性の共有
1つの目標に全員で一丸となって向かうこと。サッカーはチームスポーツ。
② 自分で考えることの出来る選手へ
サッカーは判断のスポーツ。
③ コミュニケーション能力
自分の意思を相手に伝える。相手の話を理解する。
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ここからは、上記に対して 開成グリーンのジュニアチーム(テニス)で実践している
トレーニングが、どのようなものか説明します。
① 方向性の共有を図る
* プレー中にミスをしたり成功した時に質問。
目指すべきプレーに対し全体のイメージがハッキリしてるか確認する。
* 雨の日などビデオを見せながらミーティングをする。
② 自分で考えることの出来る選手にする
* まず自分で意見をはっきり言う。その答えが間違っていてもOK。
常に考え自分の意思を持つ。
* 自分の事は自分でする。会場も車ではなく、たまには公共機関(バス・電車)を
使って、目的地まで行く。
③ コミュニケーション能力を高める
* 練習終了後、みんなの前でスピーチ。(その日の練習内容など感じた事など)
優勝した時のスピーチもみんなの前で話す。サインボールの投げ入れも(笑)
英語でスピーチする。2人1組で題材に対して話し合う。
まだまだ掲載したいのですが、文面上 限りがあるので、申し訳ありませんが終了します。(泣)
私はテニス指導者ですが、いろんな分野の指導者と情報交換・情報共有をしたいと
常々思っております。 これからもぜひ貴重なお話をお聞かせ願えればと思います。
これからも 宜しくお願いします。